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屋久島上陸初日、午前中でいきなり遭難しかかった私は、午後は砂浜へ行くことにした。
「いなか浜」というらしい。
私の宿からバスで30分あまり。
きれいな砂浜が広がっていた。
今回、私が旅行先を屋久島に決めたのにはもちろん理由があった。
私はいつも“水”にインスピレーションをもらっていた。
海、波、川…
その中から作品を作り上げてきた。
「では、違うものをもっと吸収できれば?
自分の中での“開けていなかった引き出し”の扉があくのでは?」
鬱蒼と生い茂る木々や植物、そうしたものにたっぷり触れることによって、今までとは違う何かを自分の中に蓄積したかったのだ。
そんな思いからの屋久島行だった。
しかし長い間自分の身に付いて来たものが頭をもたげる。
砂浜に降り立った瞬間、
「これだ」
と思ってしまった。
あるいはそれほどまでにこの砂浜が自分に合っていたのかも知れない。
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